知事のタレント活動、公務・非公務線引きどこで?
テレビの出演依頼が殺到している橋下・大阪府知事(右)と東国原・宮崎県知事
連日のように、メディアに登場する橋下徹・大阪府知事。公務以外のテレビ出演料や講演料を受け取る方針を打ち出しており、4日夜もバラエティー番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」(フジテレビ系列)の収録のために上京した。知事のタレント活動はどこまで認められるのか。明確な基準は見えない。
「茶髪の弁護士」時代、橋下知事は月30本近いテレビ出演をこなしていた。1本当たりの出演料は約50万〜数万円。講演料は「1回150万円だったこともある」という。本業の弁護士報酬を合わせると、年収は3億円近くに達した。
橋下知事がタレント活動を続ける意向を示したのは、先月24日の府議会総務委員会だった。しがらみをなくすため、企業・団体から政治献金を受けず、代わりに、「私人」として得た出演料・講演料を政治活動に回すという。
「政治家と会食すると、酒が入った場所になる」「モーニングのベストだけで5万円ですよ」。1日の記者会見で、橋下知事は政治活動にカネのかかる理由を説明。知事報酬は年2275万円で、「自分の所得で(政治活動を)賄うのも限界があるんで……」と語った。
問題となるのが「公務・非公務」の線引きだ。橋下知事は▽ニュース番組は公務▽情報番組は内容による▽バラエティー番組は非公務――との基準を示す。先月出演した「SMAP×SMAP」(フジテレビ系列)はバラエティー番組と判断した。だが、情報番組での線引きはあいまいだ。
さらに太田房江・前知事が高額の講師謝礼金を受け取って3選出馬断念に至った経緯もあり、「政治とカネ」を巡る府民の視線は厳しい。府議会からは「府民サービスを低下させようという時に娯楽番組で自分だけ稼ぐ神経は理解できない」との声も上がる。
宮崎県の東国原英夫知事の場合、昨年1月の就任以来、非公務扱いのバラエティー番組など250件で報酬を得ている。東京都の石原慎太郎知事は、副収入約1400万円(2006年)の大半が作家としての印税で、テレビ出演は交通費程度をもらうだけという。
橋下知事への出演依頼は120件を数える。出演番組は3月末までに21本で、うち非公務は4本。非公務の日程を管理する芸能事務所は「一歩間違えば府民の反感を招く」と慎重な姿勢を示しており、府民の反応を見ながらのタレント活動になりそうだ。
(2008年04月05日 読売新聞)