四川大地震1年、心のケア専門家の育成支援…JICA
阪神教訓、来月から5年間
発生から12日でまる1年を迎える中国・四川大地震で、課題となっている被災者の心のケアについて、国際協力機構(JICA)は1995年の阪神大震災の経験と教訓を生かし、専門家の育成支援に乗り出す。プログラムは来月からの5年間で、専門家らは「阪神の教訓を生かし、地域の中核リーダーを育てていきたい」と話している。
発生後、JICAは冨永良喜・兵庫教育大教授(臨床心理学)や、県こころのケアセンターの加藤寛・副センター長ら専門家延べ約15人を都江堰市や綿竹市などに派遣。現地の調査をしてきた。
冨永教授らによると、被災地では前向きに生きようとする人と、立ち直れないままの二極化が顕著になり始め、学校の授業に集中できない児童らもいるという。支援する側の行政職員らは復興作業などで疲れ切り、精神的なケアの必要性が高まっているという。
ただし、現地ではメンタルヘルスケアなど専門的な教育を受けた人が少ないため、被災者の心のケアに携わる人材育成が急務となっている。JICAは、阪神大震災後の長期的な支援ノウハウが蓄積されているこの分野で協力することを決め、先月27日、同省成都市で中華全国婦女連合会と専門家育成プロジェクトの協力文書に署名した。
計画では、中国から臨床心理士ら専門家を県こころのケアセンターなどに招き、日本の先進的な取り組みを学んでもらう一方、同センターや県教委の職員ら県内の専門家を現地に派遣。研修会を開いて、心理援助者を育成する。
(2009年05月12日 読売新聞)