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念じれば動くロボット、怒り顔バイク…脳読む商品研究着々人の意図を脳活動から読み取るBMI技術は、企業の商品開発にも影響を及ぼし始めている。ホンダの子会社「ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン」(埼玉県和光市)では、未来へ向け、こんな技術開発を進めている。 「頭の中で車のドアを開けろと指示すると、開く」 「室内で寒さを感じると、エアコンが作動する」 今年3月には、こうした研究の先駆けとして島津製作所(京都市)、国際電気通信基礎技術研究所(京都府精華町)とともに、脳波計(EEG)と近赤外光脳計測装置(NIRS)という装置を使って人の意図を計測し、ロボット「ASIMO(アシモ)」に伝えることに成功した。 ホンダの岡部達哉・主任研究員によると、NIRSは、脳活動に伴う血流変化を見ており、活動部位は正確に分かるが、変化の確認まで5秒ほどかかり、反応が遅い。EEGは反応は速いが、どの部位からの信号かというのは分かりにくく、二つを組み合わせて互いの欠点を補ったという。 実験では、「右手」「左手」「足」「舌」を動かすことをイメージし、それぞれのデータ(波形)を蓄積。四つの動作のうち一つを選択して、どの動作のイメージかをコンピューターで判別してASIMOで試した。同じ動作をイメージしても、波形は毎回異なる。「脳計測のプロでも、どの動作の波形かは分からない」(岡部主任研究員)が、それぞれの波形の違いを読み取る情報抽出装置の開発で、正答率は旧技術の50・2%から世界最高水準の90・6%へと大幅に上がった。 ほかにも応用研究が進む。人間の脳には、人の顔をみると、特異的に反応する領域がある。ホンダではこれをバイク事故の減少に役立てようとしている。 同社によると、バイク事故は、四輪ドライバーの二輪の見落としが多い。そこで脳が認識しやすい顔のように見える正面カバーを考案。喜怒哀楽の表情のうち、「怒」の反応が最も速いことがサルの実験で分かっており、目のつり上がった怒った顔に見えるバイク「FACE」を製作した。 まだ商品化されていないが、四輪ドライバーを引きつける力は十分という。脳科学に基づいた商品開発は、企業にとって必須のものとなりつつある。 (2009年11月2日 読売新聞)
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