アフリカ手話の研修、参加者募集=多摩
外語大が8―9月に実施
東京外国語大学(府中市朝日町3)アジア・アフリカ言語文化研究所は、今夏に開く言語研修で「仏語圏アフリカ手話」を取り上げる。国内では初の試みといい、同研究所の研究員で、担当講師の亀井伸孝さん(36)は「世界には多様な言語文化があることを知ってほしい」と話している。
言語研修は1974年から毎年実施。語学学校などで学べる機会が少ない外国語が中心で、これまでにマダガスカル語やフィジー語、バリ語など延べ100言語を扱ってきた。今年は、モンゴル語、トゥバ語(ロシア・南シベリアのトゥバ共和国などで話されている言語)に加え、初めて手話を題材とする。
文化人類学を専攻する亀井さんは、大学院生だった96年、西アフリカ地域の調査でカメルーンを訪問。ろう者のエブナ・エトゥンディ・アンリさんのもとにホームステイし、現地の手話も勉強した。
フランスやベルギーの植民地だった国が多い西・中部アフリカでは、主に仏語圏アフリカ手話が使われている。1950年代にアメリカ人牧師によってアメリカ手話が伝えられ、さらに仏語の文法や語法などが加わり、独自の手話が形成されていったという。亀井さんは「手話は世界共通のジェスチャーだと思っている人もいるが、実際には国や地域によって全く異なる言語」と説明する。
今回の研修に向け、亀井さんは昨年10月、カメルーンで知人に手話を実演してもらい、その様子を撮影。日本語と仏語から手話の単語を検索できるDVDを作成中だ。収録する単語は約2500語。「日常生活に支障がないくらいのコミュニケーションをとれるようになる」と話す。
研修はいずれも8月4日から約1か月間。6月20日まで参加者を募集している。定員は各10人程度。手話研修は同研究所で行われ、エブナさんも講師を務める。計100時間で、受講料は6万円。応募多数の場合は、書類審査を行う。問い合わせは同研究所全国共同利用係((電)042・330・5603)へ。
(2008年06月02日 読売新聞)