双子・三つ子、表情多彩 鳥取の聾学校写真部、新宿で35点展示=東京
双子や三つ子が被写体となる写真展「ツインズ&トリプレッツ」が、新宿区のニコンサロンbis(西新宿1)で開かれている。撮影したのは、鳥取県立鳥取聾(ろう)学校の写真部員たち。桜の木の下で笑顔を見せる双子や元気に鬼ごっこをする三つ子など厳選35点が展示されている。同校の高田啓一教諭(59)は「生徒たちが引き出した子供たちの素晴らしい表情を、多くの人に見てもらいたい」と話している。
(伊藤紘二)
展示会場で笑顔を見せる鳥取聾学校写真部の部員ら
部長の同校3年竺原(じくはら)裕さん(17)は「聴覚障害者は何もできないと誤解されがち。写真展を見て、耳が不自由な子でもやればできるということを知ってもらいたい」と語る。
「双子・三つ子」は、毎年行われる全国高校写真選手権に出品するために、部員同士で相談して決めたテーマという。今回の作品はブロック大会で落選、惜しくも全国大会には行けなかったが、ニコンサロンの関係者の目にとまり、新宿で写真展を開くことになった。
桜の木の下で笑顔を見せる双子
撮影開始は2005年。当時、部員だった原田浩晃さん(19)らが、県内の双子や三つ子を探し出し、撮影の段取りを付け、この3年で計52組が被写体となった。原田さんは「ちっちゃい子は本当に元気。3歳くらいの三つ子を撮影に行った時は、走ったり暴れたりするので、一つのフレームの中に収めるのが大変だった」と振り返る。
原田さん自身、実は双子。弟の頭をなでながら、仲良く一枚のスナップに収まる写真も展示されている。
シャボン玉で遊ぶ双子
「今回の写真展を通して、人とコミュニケーションする楽しさを実感しました」と話すのは、女子部員の同校3年田中菜月さん(18)。「双子はいませんか」と小学校を尋ね歩いたり、親にファクスや手紙でお願いしたりと、耳が不自由な人にとって交渉事は易しくはない。でも、田中さんは何回も交渉しているうちに、一生懸命お願いすれば相手に思いが伝わるということが分かったという。
同校写真部は1981年、同好会としてスタートした。「写真を通じて人と積極的にかかわってほしい」との思いから、高田教諭が創部を提案、顧問になった。作品展は今回が節目の200回目。これまでは地元鳥取はもちろん、東京、大阪など大都市のほか、米ニューヨーク、韓国・清州市で写真展を開催したこともある。02年には、「写真甲子園」といわれる全国高校写真選手権で準優勝に輝いた。伝統と実力は今や折り紙つきだ。
24日まで。午前10時から午後7時(最終日は午後4時)。入場無料。問い合わせは同サロン((電)3344・0565)。
(2007年09月25日 読売新聞)