新年あけましておめでとうございます。
お正月はなんちゅうても京都だんな。
琴曲「春の海」が流れる店内で着飾ったべっぺんはんとこぎれいな和食をよばれる。
アーこれぞ日本の正月やと幸せな気分になりまんな。
幸せは「背中に柱前に酒、左右に女懐に金」ちゅうて言いまんな。
世の中は酒と女が敵なり、早う敵に巡り会いたい・・・なんてね。は、は、は。
ところで、京都でクジラを食べましたでェ、それも「ハリハリ鍋」だっせ。
ハリハリ鍋は大阪の郷土料理と昔から言われてまして、子供の頃、冬になったら大阪ミナミの我が家でも「クジラのすき焼き」ちゅうて一家でよう食べたもんだす。
今も大阪ではこれを食べさす店が何軒かおますけど、京都でねー、それも寿司屋だんねん。
京都でラジオ番組を担当してた仲間と忘年会をしたところがそうで、「寿司を握れへん寿司屋がある」ちゅうからこりゃおもろい何を食べさせてくれるんかいなと押っ取り刀で(懐かしい言葉やなー)いったんですわ。
看板は寿司・割烹だっけど寿司よりクジラが本命で、案内状にも「室町時代には公家たちの宴を賑わしたという「鯨肉」その後、鯨の味を引き立てる「水菜」と出会って1つの鍋料理となりました。
それは「ハリハリ鍋」と呼ばれ、庶民の味として現在にひきつがれています」と書いたありました。
えーっ、む、ろ、ま、ち時代からアー、さすが千余年の歴史を持つ町だんなあ。
これがなんで大阪の郷土料理になったんかちゅうと応仁の乱で公家や金持ちが大坂へ逃げたときから始まったそうだんねんと。せやから京都の方がハリハリ鍋は先輩だんな。一緒にいた京都育ちのタレント坂崎優子はんは子供のときから食べてたんやと。知らんかったなー。
その後、水菜と出会って鍋料理になったちゅう場所は多分京都やと思いまっせ。
なんせ京都は野菜どころで九条葱、聖護院カブ、ダイコン、キュウリ、桂ウリ、ミブナ、賀茂なす,鹿ケ谷カボチャ、水菜など伝統野菜の宝庫だっせ。
大阪かて毛馬キュウリ、守口ダイコン、長町ニンジンなど伝統野菜が多いが数では京都にかないまへんな。
守口ダイコンが信州に行って野沢菜になったように野菜は土地の風土によって変わるもんでっけど、ミブナは水菜が突然変異したもんやちゅうのんは同席したKBS京都ラジオの小川和重プロデューサーが教えてくれはりました。

この日は2種類の水菜が出ました。
絵にある1人前のハリハリ鍋の水菜は「山科(やましな)水菜」で、多人数用の「鯨鍋コース」についてきた水菜は北の方にある大原のもの。
比べてみると山科のはええとこ育ちのひ弱さがおますが、大原のは野性味があって茎が太く逞しい。
こんなすごさを感じる水菜を見るのん初めてだす。
近代的なサラダ感覚の前者、無骨で存在感が感じられる後者でっけど七味をかけてそのまま食べたら甘かった。
分厚いまっこう鯨の皮にも負けないでいつまでもしゃきしゃきしている大原の水菜を食べてて「ああ、これがほんとのハリハリや」と実感しましたで。
天和3年(1683)にはもう記録されてた水菜は、肉類の臭みを消す作用があると発見して鯨と出会わせたた人はえらいなあ。
ところでここの鯨は長崎県の佐世保で定置網にかかったものを冷凍したもので、その時々とれたものを出してくれまんねん。メニューと一緒に「出荷鯨肉調査票」がついてくるのんも楽しおま。
寿司を握らない寿司やちゅうのんも鯨鍋の評判がええからで「寿司コース」(5000円・税別)もちゃんとおまっせ。
鍋のダシも「ええ鰹、同量のみりん、薄口醤油がみそや」と元気な女将の五百子さんが教えてくれました。
最後は雑炊とちごて日本そばだした。「これは乾麺」と女将はあけっぴろげだした。
ちなみに40年やってる屋号の「ふじよし」は、店主の名が木下吉勝はんやから木下藤吉郎からもじったもんやそうだす。
ほかに
- 鯨鍋コース(鍋、刺身,付き出し、そば、雑炊) 6000円
- 鹿の子刺身 1800円
- 赤身の刺身 1500円
- 本皮の刺身 1300円
- ふぐコース 6000円(いずれも税別)
町家が並ぶ中にある小さな店で、2階座敷と1階カウンターだから予約をした方がいい。
店舗案内
京都市中京区二条麩屋町西入る
TEL:075−221−0610
11時〜13時30分 17時〜23時
日曜日は予約のみ営業