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ジュンク堂が専門書特化でネットに対抗、出店を加速利幅大きく棚作りも充実大手書店のジュンク堂書店(神戸市)が、全国で大型店の出店を加速させている。出版不況やインターネットによる書籍販売の拡大で書店経営が厳しさを増す中、品ぞろえを利幅の大きい専門書に絞る独自戦略で生き残ろうとしている。 (船木七月、井戸田崇志)
19日に開業した松山店(松山市)の売り場面積は1750平方メートルで45万冊をそろえる。通常の書店と異なるのは、コミックスは取り扱わず、専門書や文庫本など、雑誌以外の比率が9割と非常に高いことだ。 こうした店作りが受け、8月に開業したロフト名古屋店(名古屋市)の売上高は、目標の1・7倍となる月1億円ペースで推移している。 7月にオープンした難波店(大阪市)は、関西最大級の4620平方メートルの売り場を誇る。外国人に日本語を教えるための本を探しに来た兵庫県の会社員(53)は「売り場が広いし、色々な分野の本を手に取って選べる」とネット販売にはない魅力を語る。語学以外にも医学書や美術全集など専門書が並び、まるで図書館のような雰囲気だ。「司法・裁判実務」のコーナーは「裁判員制度」「司法制度改革」「弁護士」と三つの棚に分かれている。 2009年度はすでに大型店4店舗を新設し、1963年の開業以来続く増収決算は、継続する見通しだ。工藤恭孝社長は「単価も利益率も高い専門書で勝負し、雑誌や新刊本は1割しか置かない。専門書はお客さんや取次店の知識が深く、それに応えようと店員が勉強し、お客に喜ばれる棚作りができるようになった」と話す。 多くの書店は、話題の新刊本や流行の雑誌を頻繁に入れ替え、お客を呼び込む戦略をとる。返品リスクは負わないが、その分収益性は低い。専門書は、書店の取り分が大きく、店員が返品作業に追われずに済むので棚作りに専念でき、それが客を呼ぶという好循環を生む。ただし、本を売り切る力が必要となる。 帝国データバンクによると、書籍販売業の倒産は年間40社程度で、09年もすでに28社(8月末時点)が倒産した。若者の活字離れに加え、ネット販売などに客を奪われたためで、事業モデルの転換を迫られている。 さらに、調査会社のインプレスR&Dの推計では、08年度の電子書籍市場は前年度比31%増の464億円に伸びた。アマゾン・ドット・コムの「キンドル」など米国で普及が進む電子書籍の閲覧端末が日本に上陸すれば、「さらに本の読まれ方が大きく変わる」との指摘もある。 ジュンク堂は急速な出店で資本強化が必要となり、今年3月、老舗の丸善に続き、大日本印刷の傘下に入った。一方、紀伊国屋書店は凸版印刷と業務提携しており、印刷2社を軸に書店再編が進むとみられる。 「ネット対書店」の戦いも激化しそうで、工藤社長は「大型店の持つ売れ筋情報を地方の中小書店に提供するなど業界の活性化策を考えたい」としている。 キンドル 米ネット販売大手アマゾン・ドット・コムが2007年に発売した電子書籍の閲覧端末。電子化した書籍や新聞を携帯電話の通信網を使って端末に取り込み、「電子ペーパー」画面で読むことができる。30万冊以上が電子化されており、その多くが9・99ドル(約906円)で購入できる。サービスは米国のみで、日本での販売は未定。
(2009年9月23日 読売新聞)
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